また違う旅路

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名古屋市内[名]とはなんなのか

JR旅規86条

JR各社の旅客営業規則第86条に”特定都区市内にある駅に関連する片道普通旅客運賃の計算方”というのがあります。
第86条
次の各号の図に掲げる東京都区内、横浜市内(川崎駅、尻手駅八丁畷駅、川崎新町駅及び小田栄駅並びに鶴見線各駅を含む。)、名古屋市内、京都市内、大阪市内(新加美駅を除く。)、神戸市内(道場駅を除く。)、広島市内(海田市駅及び向洋駅を含む。)、北九州市内、福岡市内(姪浜駅下山門駅今宿駅九大学研都市駅及び周船寺駅を除く。)、仙台市内又は札幌市内(以下これらを「特定都区市内」という。)にある駅と、当該各号に掲げる当該特定都区市内の◎印の駅(以下「中心駅」という。)から片道の営業キロが200キロメートルを超える区間内にある駅との相互間の片道普通旅客運賃は、当該中心駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算キロによって計算する。
ただし、特定都区市内にある駅を発駅とする場合で、普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内の外を経て、再び同じ特定都区市内を通過するとき、又は特定都区市内にある駅を着駅とする場合で、発駅からの普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内を通過して、その特定都区市内の外を経るときを除く。
これは特定された都内、区内、市内の駅を発着する201営業キロ以上の切符を発券する場合、当該中心駅からの距離によって計算するということです。
 
しかし注意しなければらないのはここで特定されている都内、区内、市内は日本国の行政区とは異なる場合があるので注意が必要ですが、ここでは省略します。
 
 
 

では実際に、

名古屋市内にある金山駅から東京都内にある新宿駅までの切符を発券する場合、どのようになるのか考えてみましょう。
 
 

・距離が201キロ以上であるかを考える

金山駅から東海道線経由で新宿への営業距離を考えると366営業キロとなります。

 

 

・発着駅が特定都区市内にある駅かを考える

金山駅名古屋市内の駅でありますから、名古屋市内[名]扱い。
新宿駅は東京都内でありますから、東京都区内[区]という扱いになります。
 
 
 
金山駅から新宿駅は両条件を満たしますから、上記86条が適応されることがわかります。
そのため、実際に発券される切符は下記のようになります。
 
名古屋市内[名] -> 東京都区内[区]
営業キロ: 366.0 km
 
切符を買う際に駅員に金山から新宿まで行きたいと言うと思います。そして駅員さんはマルスに金山から新宿まで打ち込むわけです。そこでマルス上記をすべて考え上記に書いた切符を出すわけです。複雑な旅客営業規則をすべて把握しているマルスがいかに優秀であるか実感しますね

 

 

 

ただし例外が...

そもそも86条自体が例外でありますので、例外の例外となりますが86条にも例外があります。
ただし、特定都区市内にある駅を発駅とする場合で、普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内の外を経て、再び同じ特定都区市内を通過するとき、又は特定都区市内にある駅を着駅とする場合で、発駅からの普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内を通過して、その特定都区市内の外を経るときを除く。

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簡単にいえば上記図のような特定都区市内の外に出てもう一度特定都区市内に入る場合は86条が適応されませんということになります。
 
 

例えば、

南大高 ->(東京経由)大阪駅
みたいな切符を発券する際、距離が201キロ以上となりますので、
のような切符になります
しかし、ここで86条を適応すると発車駅が名古屋市内の中心駅、名古屋駅となりますので、このような問題が起きます。
 

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あら何ということでしょうこれは問題です。ということで単駅指定というルールが在るのだと思います。